「諫鼓苔深うして鶏驚かず」

中国の伝説上の君主が自分が政を誤って人民を苦しめた時には

この太鼓を叩いて私を諫めるようにと城門の外に太鼓を置いた。

これを諫鼓という。

しかしそのように人民の暮らしにも心を砕く名君だったので、

世の中は平和に治まり、

太鼓は鳴ることもなく、鶏の恰好の遊び場になっていたという。



これが諫鼓鶏の由来だ。

つまり諫鼓に鶏が遊ぶのは天下泰平の象徴。

天下祭りと言われた神田祭の一番町、

大伝馬町の山車が諫鼓鶏を載せていたのも、

将軍様のおかげで天下泰平に治まっておりますという

おべんちゃらめいた趣向だったのではないだろうか。





11月4日の引き回しで浅間大社境内の御手洗橋の上で撮影。



面白い雲だと思い撮影したものだが、

よく見ると山車の諫鼓鶏を投影したような雲がその上に広がっている。



昭和57年に作られ、何度かの修理を経たがこのところの傷みも激しく、

とうとう鶏が空を向いてしまった。

この諫鼓鶏もいよいよ昇天してしまったのかも知れない。



25年間見守ってくれて、ありがとう。

感謝します。