練行で雨に降られたり、経験のない馬が新たに加わるなどいつもと違うことが多かった。そのためかどうかは判らないが、今年の流鏑馬祭はなんだかいつもより中(あた)りが少なかったようだ。



昨年との一番の違いは昭和29年より小笠原流斉藤一門を率いて長年ご奉仕頂いた斉藤道場主がご逝去されたこと。その後を追うようにセイセイギンガという白馬が死んだことだ。

道場主はご長男が引き継ぎ、弓司(ゆみつかさ)も若手に交代した。

今が世代の切り替わりなのかも知れない。







セイセイギンガという白馬は足の速い大柄な馬で、たてがみをなびかせて疾駆する姿は実に美しかった。







この写真は一昨年の秋、浅間大社御鎮座1200年祭に行われた流鏑馬でのものだ。



この足の速い白馬に手を焼く射手も多いのだが、ベテランの鈴木氏は好んで乗っていたように思う。実際この時も2回走って、すべての的を射抜いている。

どちらも経験が長く、癖も気心も知り合った仲なのだろう。





走り終えて馬場元に戻る時、セイセイギンガはよくカメラを見てくれた。

走りも姿も美しいこの馬は大好きだったのだが、もう見られないのはとても残念だ。

鈴木氏も良き相棒を失ったためか、今年は何か精彩を欠いていたように思う。



寿命なら仕方ないのかも知れないが、変わるものはなかなか出てこないだろうな。



冥福を祈る。