先日の富士登山でつくづく感じたのは、いつも飲んでいる水のおいしさとありがたさだ。



持って登ったのはスポーツ飲料だがそのわずかな甘さでも口に残るのが不快で、お茶を買った。下山で膝を痛め、やっとの思いでたどり着いた山室で買ったのは山麓で詰められた地下水。何気なく買ったのだが、この水が一番うまくありがたかった。

飲み慣れた我が家の井戸水、浅間大社に湧き出る泉と同じ味がしたからだ。





我が町富士宮市は富士山の西南麓に広がる小さな街だ。





街の中心にある浅間大社には国指定特別天然記念物の「湧玉池」があり、夏でも13℃という冷たい水が湧き出て神田川に流れ出している。





この冷たく澄んだ水が安らぎを与えてくれる。







池に放たれたニジマスが泳ぐ。1尾色の薄いのはコバルトマスというニジマスの変異種





上の池には水屋神社があり、その前に水汲み用の樋が設けられていて、水を汲みに来る人が後を絶たない。



富士山の玄武岩質の地層を、長い年月をかけて流れてきた地下水にはバナジウムが溶けており、周辺山地からの地下水とははっきりと違いが現れるのだという。



富士宮市発光の調査報告書によれば、市内各所の富士山からの湧水に含まれるバナジウムの濃度は0.01ppmから0.07ppmということである。1リットル中に1mg(=1000μg)含まれるのが1ppmということから、つまり1リットル中に10μgから70μgのバナジウムが含まれていると言うことになる。

 湧玉池の 2回の分析結果は0.04ppmと0.05ppmだから1リットル中に40μgから50μgといったところ。市販の商品は濃縮されバナジウムの含有量が1 リットルあたり130μgから150μgと言った物が多い。数値的にはそれらの商品に見劣りはしてもそのおいしさが折り紙付きの、いっさいの手を加えぬ天 然の水である。富士山の賜物として有りがたくいただいてはいかがだろう。




この水が流れ下る神田川で、富士山御神火まつりの御神火台が川をさかのぼるのが、この祭りの見物だ。



今夜行われる「富士山御神火まつり」が楽しみだ。



参考リンク

湧水