地球が出来た頃には大気中にはまだ酸素が無く、大量のCO2によって覆われていたという。



地球の大気の酸素は光合成を行う微生物「シアノバクテリア」が大量に生み出したとされ、その時期をめぐっては、米国のグループが2004年に「24億〜23億年前」と発表、これが定説になっていたらしい。

25日のニュースによれば、海洋研究開発機構と東京大学の研究グループは、豪州の地層の分析から、27億年以上前の地球の大気に酸素が存在した証拠を見つけたとのこと。



シアノバクテリアが海中に登場して炭酸ガスからから酸素を作りだし、長い年月をかけて酸素を放出していったのだが、いきなり酸素が大気中に出て行ったわけでもなく、海水中に含まれる鉄分と反応して酸化鉄(鉄さび)となり海底に沈殿した。酸化鉄と石英が互層をなし、縞状鉄鉱という物が海底に作られ、これが鉄鉱石として採掘され使われている。

海水中に溶けている鉄分が希薄になるまで、産み出された酸素は海水中で消費されていたという事らしいが、この期間が数億年ほどかかっているらしい。

別の資料で、その期間が30億年前以前から27億年前とは聞いていたが、その間にも鉄分の隙をついて酸素が大気中に出て行く事だってあったろうから、爆発的に酸素で覆われる24億年前以前に大気中に酸素があっても別に矛盾はない。

その時点での証拠が見つかったという事だろう。





写真は縞状鉄鉱中にトラメを生じた鉄虎目石だ。

(縞状鉄鉱=シアノバクテリアが酸素を放出していた頃、海底に沈殿し堆積した酸化鉄と石英分でできた鉄鉱石。)





そしてこちらは鉄虎目石のビーズだ。

このような岩石が作られるのにも、シアノバクテリアの酸素生産能力が働いている。

生命活動と化石以外の岩石の生成が、まるきり無関係でないというのも面白い。



 = 参考リンク =

 ・鉄と酸素と文明 地球 宇宙と人のはざまにて より

 ・鉄虎目石