最近トラキチの元気がない。


 



体調でも悪いのかと思っていたのだが、どうやらそれだけでもないようだ。


 


今朝の事だった。


裏庭で寝そべっていたトラキチが、近くの電柱を見たままなにやらムニャムニャ言っている。見れば一羽のカラスが電柱に止まりこちらを覗っている。


どうやらカラスに強いストレスを感じている風だった。


 


そして午後、けたたましいカラスの鳴き声に庭に出て見ると、向かいの庭木から2羽のカラスが交代で舞い降りてなにやら攻撃しているようだ。


見ていたら一目散にトラキチが逃げて帰った。


 


そういえば、昨年もそうだった。


3匹居る家のネコのどれかが巣立ったばかりのカラスの雛を獲った。


それから親ガラスがネコを見つけると襲いかかるようになり、ケガまではなかったがその度にネコどもが身動きできずにフリーズしていたのを思い出した。


 


夕方の事だ。メダカにエサを与えていたら、トラキチがブロック塀の上を歩いて屋根に登ろうとしていた。


その背後からカラスが襲いかかった。そしてもう一羽も。


トラキチは慌てて塀際の酔芙蓉の木を伝って下りてきた。


 


庭の植木台の上ではチャーが寝転んだままこの様子を見ていたが、別に慌てるそぶりも見せない。臆病なネコなのだが、カラスがここまでは来ない事を知っているようだ。


 


トラキチばかりが狙われる理由は、無警戒に出歩くからなのだが、彼にしてみれば、何で自分ばかりが襲われるのか理解できないで居るようだ。


 


まだ当分、トラキチの憂鬱は続きそうだ。