11月2日祭り前日。

 

今日も好天。会所の設営と最終確認だ。

 

日が暮れて会所の準備は完了。

 

山車と底抜け屋台の放送チェックなど行いながら、囃子方は最後の仕上げをしている。

夜が明ければ祭りだ。

 

昔は祭り準備でボロボロになり、そのまま本番を迎える事が多かった。

よく準備途中で風邪を引き、咳も抜けぬままそれをこらえながら笛を吹いていた。

連夜の寝不足で唇が荒れ、競り合いを控えて笛の音が出ないという最悪のコンディションがあった。この時は引き回しの途中で休ませて貰い、唇にハチミツを塗って布団をかぶって寝て、夕刻の競り合いには何とか音を出す事が出来たっけ。

祭りの三日を一人で吹き通すと、横隔膜のあたりが疲れて痛んだ。

 

今ではそこまでボロボロになる事もないが、万全の体勢ではなかなか祭りを迎えられない。

 

「準備が終われば祭りも終わったようなもの。」

先輩の言葉だ。

充分に準備が出来たなら、祭り本番は放って置いても順調に流れて行く。

 

そう願いたいものだ。