点滴逆流の不安もあって、殆どを病室のベッドで過ごした。


携帯電話の使用については、電話は公衆電話の場所でかけると言うことだが、メールは病室からでも良いとのこと。要するに、声を出さなければ病室でスマホを使用しても良いと言うことらしい。
で、家内にiPadを持ってきてもらったので、退屈することもなかった。
インターネットでニュースなど見ながら、構想から遅々として進まぬ物語の肉付け、誤って初期化し上書きしてしまったデータの救出方法、そんなことを考えていた。

昨年暮れ、メモリーカードを初期化のみならず上書きまでしてしまった。保存が済んだという勘違いからだ。PC内をくまなく探し回って未保存のままの誤消去を確信したものの、大きなミスに一気に血の気のひく思いがした。消えたものは取り返せない。腹をくくってお詫びと撮り直しのお願いをして回った。
しかし大勢の家族で写った宮参りの記念撮影は、取り返しようのない貴重な”時の記憶”だ。これだけでも何とか救えないかと思った。
PCショップの広告でデータ復旧と言う文字を見た時、電話してみた。初期化した上に上書き間でしたものでも、まだ救出の可能性はあるとのこと。すがる思いでメモリーカードを持ち込んでみたが、結果はすでに保存済みの不要なJPEGデータが掘り出せただけだった。

でも待てよ?あのJPEGデータとは同時にRAWデータファイルが記録されているはず。RAWデータファイルの救出をうたう業者なら、掘り出せるかも知れない。
iPadで検索すると業者も見つかったが、ソフトも見つかった。
ソフトはダウンロードでも入手できる。よし、退院したら試してみようと決めた。

手術前に気になっていたのがその時期だ。叔母が亡くなったのが3月、父が1月。似たような時期に入院することに少なからず不安があった。
仏壇に手を合わせることも滅多にない親不孝者だ。叔母や父が文句を言いに夢に出てくるんじゃないかと思っていたが、とうとう夢も見なかった。
どうやら無事に成仏できたのかな。
 

手術後の経過は至って順調で、予定より1日早く退院できたのはなによりだ。