セミの一生で最大の試練は、やっぱり羽化でしょうか。
アリに邪魔されることもあるでしょうが、致命傷となる一番大きな原因は落下でしょう。

幼虫は体を保持するために入念に場所を選び、脚の爪を食い込ませて足場を固めます。
足場を固めて羽化体勢をとってから邪魔が入ると、もう足場を固め直すことが出来ません。
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この幼虫がまさにそれでした。
捕らえられた時にはもう羽化体勢だったため、何かにつかまることさえ出来ません。
植木に真綿を巻き、仮の足場を作って前肢を絡めました。


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背中が割れ、殻から抜け出します。


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体が抜けてもなお反り返り脚を引き抜きます。


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引き抜いてしばらく硬化するのを待ってから、おもむろに体を起こし、殻にしがみつきます。


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今まで殻の中で抜け出した体を支えていた腹部を引き抜きます。


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前脚2本で殻につかまり、ぶら下がって翅を伸ばします。
まだ体も固まらないこの時、風に吹かれたらひとたまりも無いでしょうね。
こんな危うい状態で、ひたすら伸ばした翅と体が固まるのを待ちます。

無事に成虫になるためには、かなり危ういところを通過しなければならないのですね。



羽化をピックアップしてご紹介しています。

炎天下大声で鳴き続ける蝉たちも、こんな試練をくぐり抜けたのですから多少煩いのは大目に見ておきましょうか。