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蛹化に気付いたのは7月31日、気がついたらプラスチック容器の蓋にぶら下がってました。


ツマグロヒョウモンは垂蛹と言って、逆さにぶら下がるタイプの蛹で、タテハチョウ科やジャノメチョウ科の蝶がこのタイプです。

何度も何度も糸を吐き、ぶら下がる台座を作ります。そこに尾端を引っかけてぶら下がり前蛹となり、翌日蛹化します。


アゲハチョウ科やシロチョウ科では糸を重ねて帯を作り腰に回す帯蛹という形。

昨年撮影したアオスジアゲハの帯づくりの時短動画です。
先ず尾端を固定する台座を造り尾端を絡めたあと、輪の大きさを測るように前肢にかけ何度も何度も糸を吐きそれを重ねて帯を作り、ひょいとくぐって腰に当てます。



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金ボタンが青くなったのは、羽化が近づいた兆候です。



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昨夜見た時、金ボタンがまだ空洞化までは進んでいないので朝までに羽化してしまうこともないだろうと思っていました。



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起きて真っ先に確認した時はまだ羽化前だったので、安心してちょっと席を外しました。



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そのわずかな時間に羽化が始まり、気付いた時には殻から抜け出て翅もすでに伸ばしていました。
プラスチックケースの蓋という観察しにくい場所での蛹化で、充分にライトをあてて近くから確認することが出来なかったのが見逃した大きな原因です。



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何とか翅の表を見られないかと、正面からのぞき込んで待ちました。



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ライトを操作した所、急に動き始めました。
翅の表が見えます。♂(オス)です。



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蓋に止まって一休み。



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しっかりと模様を見せてくれました。
ツマグロヒョウモンのオスです。




今回は残念ながら見逃しましたが、昨年撮影したツマグロヒョウモン♀(メス)の羽化動画をご紹介します。始まればあっという間。見逃してしまうのも無理はないのでしょう。

やっぱり、観察するにはこんな枝のある木が良いですね。

昔は暖地性の蝶と言われなかなか見かけることはなかったのですが、温暖化のせいか今ではこのあたりでは普通種になってしまいました。スミレ科の草を食べる黒地に赤い線のある棘だらけの毛虫は、退治されても仕方ないような憎々しげな姿です。
でも、それが蝶になる瞬間は神々しくさえ思われます。

機会があったら、じっくり御覧になってはいかがでしょうか。