眠り猫

平成20年燈回廊の夜に浅間大社境内で拾った3匹の猫は、すくすくと仲良く育ちました。
寒い夜には3匹が団子状態で身を寄せ合って寝ていたものです。



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拾ったばかりの頃です。
同じ植え込みの中に居たのですが、グレーの猫は一回り大きかったので兄弟かどうかは判りません。
全てオスで、茶トラはチャー、グレーの猫はインディー、キジトラはトラキチと名付けました。


以前飼った雄猫にはマーキングの匂いで悩まされたものですが、去勢手術が効いたものか3匹とも実にお利口でした。でも、去勢雄にありがちだという尿路結石に悩まされることになったのが茶トラのチャーでした。発症した年に2回続けて入院。結石を起こしにくいよう餌に注意したものの、何年か後にまた発症。
小さい頃から青っぱなを垂らしているような子猫でしたから、虚弱だったんでしょうね。

それが意外な強さを見せることになります。
近所の犬2匹はトラキチの姿を見ると条件反射的に飛び出し追い回すのですが、チャーには寄りつきません。凄い剣幕で唸り威嚇するので、犬の方が気圧され敬遠していたようです。

このあたりを縄張りにしていた野良猫のクロが、わが家の庭にまで我が物顔で進入してきます。チャーが居れば時々喧嘩もしますが、距離を置いて睨み合いそれ以上入ることはありませんでした。
この家を、庭を自分の縄張りとして守っていると言う感じがして、見直しました。

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平成24年に拾ったビビという猫です。

最初は外に出さぬ箱入り娘として育てていたのですが、もうよかろうと外に出した所、庭でクロと鉢合わせしました。驚いたのでしょう。背中の毛を逆立てうなり声を上げて威嚇しますが体格差は歴然。助けに行かなければと腰を上げた所、2匹の間にチャーが割って入りました。このチャーの加勢で、クロはすごすごと退散しました。
家の中では馴染まず距離を置いて寄せ付けない感じでしたが、やはり同じ家の猫という意識はあったのでしょうか。俺の縄張りでもめ事を起こすなといった感じもしましたので、虚弱な猫が気迫でこの家や庭を守っていてくれたのでしょうか。


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このチャーが5月下旬から姿を消しました。
それまでにも1週間帰ってこなかったことはありますが、3ヶ月も経てばあきらめが先に立ちます。
でも昔飼っていた猫は、みなが忘れ去った頃ひょっこり帰ってきたことがありました。
そんなことが起きないとも限りません。
帰りを待っています。