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先日羽化したツマグロヒョウモンです。
わが家の庭でタチツボスミレを食べて育ちました。
この蝶は幼虫時代にスミレ、タチツボスミレ、園芸種のパンジーやビオラなどスミレ類を食べて育ちます。大きな棘に覆われた黒地に赤の強烈なカラーときては、スミレ類を育てる愛好家にとっては憎らしい害虫に他なりません。
今でこそ当たり前に見かける普通種になってしまいましたが、ウン十年昔高校の生物部でチョウを追っていた頃はまだ稀少な存在でした。

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部活仲間が捕らえたというツマグロヒョウモンメスの美しい標本を、羨ましく見つめたものでした。

それがモンシロチョウより多いほどになったのは、越冬出来るような環境が整ったからと言われます。一つは気候の温暖化で越冬出来るようになった事、もう一つは冬枯れしない園芸種のスミレ類が広く作られるようになった事だと言われています。

園芸種のパンジーも庭のプランターにはありましたが、夏には枯れました。
年に何世代も繁殖を繰り返すこの蝶が、この時期わが家の庭で食べるものはタチツボスミレです。

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小さなスミレで株も小さく幼虫は食べ尽くしてはほかの株を探し歩く、そんな幼虫が飛び石の間のタチツボスミレにたどり着き食べ始めた所です。人の往来する場所ですから知らずに踏んでしまうことも多く、気付いては悔やんだものです。
そんな幼虫たちが長雨が上がった朝、ぞろぞろと這い回っていました。タチツボスミレも育てていたわけではありません。庭のあちこちに勝手に生えていたものですが、どうも食べ尽くす寸前です。
近所を探して歩いた所、葉の細長くボリュームのあるスミレが電柱根元のアスファルトの割れ目に密生しているのを見つけました。これなら充分な量だし、誰が栽培しているわけでもありませんから、気兼ねなく何度か採ってきては幼虫に与え育てました。
これが蛹化し、先日やっと羽化して飛び立ったもの。

ホッとしたのもつかの間、庭には遅れて生まれた幼虫たちがまた歩き始めています。
踏んではならぬと容器に保護し餌のスミレを採りに近所の電柱に出かけると、綺麗にむしられて無くなっていました。隣接する駐車場にもあったはずと目をやれば、こちらも綺麗に除草済みでした。

庭に残っているタチツボスミレはごく僅か、昔飼った時に調達したあの場所はどうかと尋ねてみれば、草はあるけれど植生がまるきり変わってしまいスミレが見つかりませんでした。
園芸種のパンジーやビオラの苗がお店に並ぶのはもう少し先、庭のタチツボスミレを食べ尽くすのは時間の問題。スミレを探して歩き回るしか無さそうです。

どうぞ見つかりますように。

へんぽらいの祭り談義 : ツマグロヒョウモン♂羽化



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