国民文化祭しずおか富士宮会場の最終日は、「富士の恵みの音楽祭」が市民文化会館で行われた。その時にゲストで出演された新井満氏のCD「風神」を帰りに購入し、何度も聞いている。
当日披露された「千の風になって2009」「富士山2009」は言うまでもないが、それに次いで印象的だったのは石川啄木の歌集「一握の砂」から、望郷の短歌四種に曲をつけた「ふるさとの山に向ひて」だった。


ふるさとの 山に向ひて 言ふことなし ふるさとの山は ありがたきかな
                       石川啄木 歌集「一握の砂」より

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富士宮市に住む私にとってのふるさとの山は、紛れもなく富士山だ。
朝に夕に仰ぎ見るものの、近すぎて時に存在を忘れる。
しかしながら、お釈迦様の手のひらを逃れられなかった孫悟空のように、私の行動圏は富士山の見える範囲にほぼおさまるので、常に富士山に見られているという意識でいる。

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「悪いことは出来ないもの。お天道様はお見通しだ。」と言うように「天」は易経では「父」にあたり、さしずめ厳格なる父親と言えるだろう。
「富士山」は孫悟空ならお釈迦様だが、私にとってはいつも見守っていてくれる「大いなる母」だ。

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「ほめられもせず苦にもされぬ」というのが私の人生のモットーだが、富士山だけは見ていてくれると信じている。

ありがたいふるさとの山なのである。