何度目のお鉢巡りだったろう。
大沢崩れの源頭部から小内院に向かう途中で、下の万年雪の傍で興奮気味に話す声が聞こえました。

どうやら、水の音に感動し興奮したようです。


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この万年雪の雪解け水をシートに溜めて飲料水に利用していることは聞いていましたが、雪解け水が音を立てて流れていることはその話し声を聞くまでは想像もつきませんでした。



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火口棚に下り、万年雪まで回り込んでみました。
万年雪からシートまでパイプで水を導き、溜まった水を時々ポンプで送っているようです。


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多孔質の熔岩は水を透過しやすく、浸透して無くならぬようパイプやシートを使っているようです。


そっと水の音を聴いてみました。



あまりにささやかな音でしたので、増幅したものです。
荒涼とした火口に聞こえた水音で、なんだかホッとしました。



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山頂の植物と言えばこんな苔ぐらいなもので、湿気のあるような所で見かけます。



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山頂にはちょっと場違いな感じの青草が見られました。
剣が峰から一度火口側に下り、大沢崩れの源頭部に登る道の脇です。
人為的な感は否めませんが、8年前に登った時にもこの草は生えていました。



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8年前に撮影した写真です。 2008.7.27



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これも8年前ですが、奥にも青草の固まりが2個所ほど見えます。 2008.7.27


登山道脇のタデなども初めて登った昭和50年代と比べれば、高い標高まで見られるようになりました。樹木の生える森林限界は変わらないにしても、身軽な草は種を飛ばして富士山を徐々に登っているようです。


富士山に高山蝶が居ないのは、若い富士山はまだ氷河期を経ていないからだと聞きました。
富士山頂を高山植物が覆い高山蝶が飛び交うには、まだまだ気の遠くなるような年月が必要なようです。



お鉢からの眺め : へんぽらいの祭り談義