庭の酔芙蓉もいよいよ終期。目立つのは花房毎落ちた軸ばかりだ。


いっそ枝を伐ってさっぱりしたらとも思うが、ちらほら開花待ちの蕾が見えると伐る気もそがれる。このまま自然にまかせれば、祭りの頃にも何輪かは咲くのだろう。苦労の塊みたいなひねた花が。


 



「イチジクにあのチョウが来てるよ」という家内の言葉に脚立を登ってみると、熟したイチジクで旧蜜していたのはアカタテハだった。あのチョウというのは庭でも繁殖し、頻繁に見かけるツマグロヒョウモンと見間違えた物だった。


一心不乱に蜜を吸い続ける姿に、思わず微笑んだ。


とりあえずのエネルギーは充分補充できるのだろうが、後翅の欠損は前途の多難を物語る。


成虫で冬を越すには、この傷みはなかなか厳しい。


 



そうそうもう一人の来訪者はクロコノマチョウだ。


ジャノメチョウ科の大型のチョウで、秋型の特徴は前翅と後翅にある突起だ。


一昨年には湧玉池の畔で、昨年は西山本門寺で見ている。


昔から居るには居たが、これも元々は暖地性の蝶でこんなに頻繁には見かけられなかった物。先輩が専門に越冬個体を追いかけていたのを思い出す。


 


いよいよ秋めいてきた。


すでに4日間は完全休養でしっかり寝て治す体勢を取ったが、体の不調はまだまだ治りそうもない。


祭り準備も佳境にはいるところなので心配だが、今までだって欠けた所やほころびはちゃんと誰かが繕ってきた。一人いなくなって出来ないような祭りだったら、それまでのこと。


 


今年起きた一連の、祭り常連の相次いでの他界や患いの連続は、今何よりも世代交代が必要だとの天の声なのかも知れない。


 


祭り本番までには完全に復調を目指すが、それまでは心配でも自重する事にする。