先日の尋ね猫だが、じつはブログに書いた前夜、帰ってきたという夢を見た。


布団の上で穏やかに眠っている姿を見つけ、家人に伝えようという所で目が覚め、正直な話、これは逆夢で猫は戻ってこないという知らせだと思った。


 


今までも猫が帰らなかったことは何度もある。


どこかで事故にあって死んでしまったのかもとあきらめるのだが、そうでなかった事もある。


 



一昨年の6月、1週間行方が判らなかった猫が帰ってきた事がある。


元々痩せた猫だったが、もっと痩せてガリガリになって帰ってきたので、たまにしか開けない倉庫などに入り込み、閉じこめられていたのではないかと家人と話した。


 



一昨年死んだ猫が17歳だったからかれこれ17-18年前の事だ。


その兄弟で長毛のシーザーという猫がいた。


長い毛が毛玉になって櫛が通らず、梳き櫛でのノミ取りにも支障を来すので毛玉をカットした。お尻周りも便が毛にまとわりついてトイレを出てから床に落ちる事が多かったので、これも短くカットした所、家出をした物か帰ってこなかった。


事故にあったのではとか、長毛の猫で可愛かったから盗まれたのではなどと思いを巡らせたが、いつしか忘れてしまった。


 


1-2年経った頃、家人が庭から見慣れぬ猫が家の中を窺っているのに気付いた。


他所の猫だと思い追い出そうとしたらしいが、そのうちに家の中にひょこっと入ってきた。


家にはメス猫2匹がいたので、すごい剣幕で威嚇する。


すごすごとその猫が去ってから、居なくなった猫の事を思い出した。


「あれシーザーじゃなかったのかな?」


気付いた時には時すでに遅く、猫はどこかに去っていた。


 


押さえつけて毛を刈られたのに憤慨し、家出をしてどこか離れた所で養われていたのではなかろうか。ふと遠出をした時に産まれた家にたどり着き、意を決して家に入ったら、親や兄弟、飼い主さえもが追い立てる。


浦島太郎の悲哀を味わい、故郷を後にしたのだろうか。


 



行方の判らぬ猫も、いつかひょっこり帰ってくるかも知れない。


半分は諦めながら、そんな淡い希望も持っている。


 


生きているなら、お前を忘れないうちに帰ってこい。