歳が判ってしまいますが、学校給食が始まる以前脱脂粉乳だけが出されたことがあり、その脱脂粉乳をもらうために、アルマイトのカップをランドセルにぶら下げて小学校に通っていました。



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学校帰りに湧玉池で水辺を覗いては、この針の先ぐらいの小さな稚魚をカップですくい家に持ち帰っていました。その稚魚をメンジャッコと呼んでいて、それが何の子供かまでは知らぬまま育ちました。

童謡や唱歌に歌われる「メダカ」の自然分布は富士宮市にはありません。富士山の斜面に位置する富士宮市では川の流れは速く水温も低く、棲息できないというのがあちこち歩き回ってメダカを探した結論です。


唱歌に歌われるメダカをメンジャッコと結びつけ、これがメダカだと思い込んでしまうのも無理はありません。金魚屋でヒメダカを売るようになり私は初めて違いに気付きましたが、大半は気付かぬまま大人になりました。



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湧玉池上池のアブラハヤの群れ。
メンジャッコは、育つとハヤ(アブラハヤ)になります。



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固まりとなって群れ泳ぎ、透明な水を通して水底に影を映します。



ある調査でメダカを見た事があるかという問いに、湧玉池で見たと言う答えがありました。
嘘では無いけれど、正しくはありません。
裏付けを取れば判ることですが、調査ではそこまでしなかったようです。
そんな裏を取らない調査報告が世の中に溢れ、幻や都市伝説を生み出しているのかも知れませんね。

湧玉池には居るはずの無い幻のメダカが、資料の上では生き残ってゆくのでしょうか。