へんぽらいの祭り談義

富士山とふるさと富士宮市の風景、祭り・催し、自然、生き物などをSNSなどネットに発信し、多くの写真で紹介しています。

随想

へんぽらいとは富士宮弁で変わり者のこと。ライフワークの祭りを通してふるさとの今を発信し続ける、心ある変わり者で有りたいと思います。
様々な祭りをご紹介するWEBサイトはこちらです。
http://maturi.info/

瑠璃唐草

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早春の野に見られるこの小さな花、和名を「オオイヌノフグリ」と言う。
漢字で書くと「大犬の陰嚢」。
Wikipediaによるとヨーロッパ原産の外来帰化植物なのだそうで、近縁に「イヌノフグリ」という植物があり、それは実が犬の陰嚢に似ているためにそう名付けられたとのこと。それに近縁の大型種と言うことで「オオイヌノフグリ」と命名されたが、こちらの実はさほど犬の陰嚢には似ていないという。
それならば、この名前で呼ぶのはあまりに不憫では無いだろうか。
別名が瑠璃唐草・天人唐草・星の瞳だそうなので、個人的にはそちらを使いたい。

「星の瞳」も素敵だけれど花の色がイメージされる「瑠璃唐草」が良いな。


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吉兆か?

先日書いた黒猫のこと覚えているだろうか。

 

流星群を見に上井出の昴の丘に行ったとき、すぐ手前の路上で逃げもせずに道路に座ってこちらをずっと見ていた黒猫のことだ。

目の前で車が止まるとしばらくこちらを見ていたが、

やがて左手に消えていった。

何かのしるしなのか?

それが何なのか悩んでいたが、吉兆ととらえtotoを買ってみた。

 

本日届いたメールに「toto当せんのお知らせ」というのがあり、ドキドキして口座を確認すると、購入額より少しだけ高額の当選金が振り込まれていた。とは言っても以前の当選が購入額割れだったことを思えば上々のできか。

 

 

 

 

 

これは20日に出会った蛇だ。

どうやらアオダイショウのようだが、図書館近くの歩道を横切りほぼ垂直な石垣を登って柵の向こうに姿を消した。

 

手も足も無い蛇が、石垣のわずかな出っ張りを足がかりに登りきるとは、正直蛇の能力には驚かされた。

 

さて、これをどう見るかだ。

蛇は水と縁があり、湧玉池を泳ぐ姿を見たこともある。

水辺の祠の礎石にはよく蛇の姿も見かけた。

一方、蛇の抜け殻を財布に入れるなど、蛇と金運を結びつける話も多い。

 

翌21日には晴れ続きで乾ききった所に雨が降った。

今日も午後雨が降った。明日にかけても雨が予報されている。

蛇は雨の前兆だったのか?

 

前の週の黒猫に続いてこれは吉兆に違いないと勝手に解釈し、もう一度totoに聞いてみることにした。

 

 

 

 

黒猫

何だったんだろう、あれは。

 

流星群を見に出かけた夜のことだ。目的地の手前で、路上に光る2つの黄色い光を見た。何か動物の目だ。

近寄れば姿が判るかと思ったが、なかなか姿が見えない。 減速しながら近づくとやっと姿が見えた。黒猫だ。

それが車が近寄っても逃げるでも無く、ちょこんと座ったまま寸前に止まった車をじっと見ている。 「どいてくれないかなぁ。」と思っていたら、数秒して道の端にゆっくりと姿を消した。

 

そのまま走っていたら、危険を感じて逃げたのだろうか。 でもあのまま逃げなかったら、どうなったのだろうか。

 

黒猫だけに、なにかの暗示、知らせなのではないかと頭を悩ませている。

 

 

 

折り返し

夏の終わり、秋の始まりを感じるのは旧盆をひかえたこの時期です。

 

晩秋にすべての枝を切り落とした酔芙蓉が、再び枝を伸ばして花をつけるのがこの頃。

 

酔芙蓉と同じ頃熟し始めるのが庭のイチジク。

昨年虫の害で穴だらけになった幹を伐採したので、今年は遅れているみたいです。

 

 

蝉の声はまだまだ朝から賑やかだけれど、短い生を終えた蝉の姿もあちこちに見られます。

 

そろそろ生の落花生が八百屋に並ぶ頃でしょうか。

 

子供の頃、涼風が立ち始めるとあんなに暑くて嫌だった夏が恋しく思えたものです。夏休みが残り少ない。それが一番悲しかったのかも。

猫の輪くぐり

この扇風機のメーカーには叱られそうですが、この形を見た時からどうしても猫にくぐらせたくて試してみました。
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案外あっさりと跳んで見せましたが、残念ながら後ろ向き。 ハイスピード動画でも撮ってみましたが、出来ればこちら向きを撮りたいものです。
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それでようやく撮れたのがこれ。 タイミング的にどうしても遅れてしまいます。
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息子に手伝ってもらって、ようやく撮れたのがこれ。 ピントもブレもすっきりと決めたい所ですが、贅沢は言いますまい。 うちの猫ながら、なかなか良い子に見えます。

祭りが終わるとき

祭りは終わらなければならない。

また新たな気持ちで始めるために。

 

目抜き通りでの引き回しを終え、町内に帰る山車。 

 

 

それぞれの胸に去来するのは寂しさか。

 

 

さっきまで目抜き通りで、祭り囃子も賑やかに引き回していた。

 

いよいよ終わる祭り。

胸に去来する思いもさまざまでしょう。

 

次の祭りを新たな気持ちで始めるために、きっちりと締めくくること。

大事だけれど、これがじつに難しい。

温めている創作のテーマです。 

孤独な者の出会い

常温で卵を産みよく増えるメダカですから、親を全て移し空になった容器内に卵が残り、知らぬ間に孵化してそれが成長していることは特に珍しいことでもありません。

しかし孵った時から仲間も無く、餌を与えられることも無く、苔や藻や微生物を食べて育った稚魚というと、その孤独と苦難は相当なものと言えるでしょう。

 

・上がひとりぼっちのメダカ、下が隔離したメダカです。

 

仲間のメダカを自分と同じ生き物と認識できるのか、与えられた餌を餌と認識できるのか、そんなことからさまざまな生存競争に耐えられるのかという心配がつきまといます。

 

でもゆくゆくは他のメダカと群れをなしひるむことなくたくましく生き抜いて欲しいと、他の1匹のメダカと同居することから始めて見ました。

 

同居させるメダカです。

暖かくなりメダカの産卵孵化が始まりました。一足早く生まれたこの稚魚は他の稚魚より2回りほど大きく、他の稚魚にとっての脅威となることから別容器に移されていました。他の稚魚といる時には活発に動き、餌を独り占めする勢いだったこのメダカも、容器を独り占めして争う相手も無い状態では同じ場所にただじっとしているばかりでした。

 

一夜明けて覗いた所、二匹は幸い喧嘩もせず寄り添うようにじっとしていました。餌を与えると隔離メダカは食べ始めましたが、ひとりぼっちメダカはごく小さな粉餌をほんの少し口にしたぐらい。どうやら食が細いようです。
刺激が無いためか、どちらも動作は緩慢です。
稚魚たちの中から成長の速い物をこちらに合流させる予定ですが、刺激になるか脅威になるか様子を見ながら進めたいと思います。

 

 

猫にダイソン(羽根無し扇風機)

羽根無し扇風機の丸い輪っかは猫も飼い主も気になる所。

いつかやるんじゃ無いかと思ったら、さっそくやりました。

コンパクトデジカムのハイスピードモードビデオ撮影機能が、猫のすばやい動きをとらえてくれました。感度的に暗くなりましたが。
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最初はちらっと見たぐらい。
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あまり気にかけてはいない様子でした。
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でもここは遊び場兼昼寝場
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ちょっと興味を示したかな
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やりました、初ジャンプ。
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次はこちら向きで跳ぶんだぞ。

遠音 ー 祭りが終わる時 その5 後始末

香代が訊いた。

 

「笑ったの?」

 

「ああ、不敵にニヤッと笑った。」

 

「そんなつもりはなかったが、そう見えたか。

 

びびっては居なかったが。そんな余裕があったのかな。」

 

「下駄を手に履いたのはなんで?」

 

「そうそうあそこはとうとう始まるかと思い、思わず奈津子を交番に走らせるとこだった。

 

喧嘩慣れした無頼漢に見えたぞ。」

 

「あれは、逃げ支度」

 

ビールをグイッと開けて

 

「あんな丸太ん棒まともに受けたら骨を折っちまう。

いくら逃げ足が速くても下駄ではさすがに勝手が悪いものさ。」

 

「ほんとかな?

照れてごまかしちゃダメだよ。」

 

「ホントはカウンター入れるのに拳固じゃ手が痛いからさ。」

 

そう言って楽しそうに笑った。

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てっちゃんがしばらく富士宮で暮らす事にしたのは、遙か昔の出来事にけじめをつけようと思ったから。

 

そう決めたのは御手洗橋を引き上げ、猫目家で語り明かした時の事だ。

 

「俺たちが祭りをやっていたあの頃は、たちの悪いただ酒目当ての荒くれ者が幅をきかせていて、そんな無頼を気取る者たちの溜まり場だったよなぁ。」

 

それを嫌って青年に入る物も無くなり、囃子が好きな物ぐらいしか残らなかった。そんな中で囃子方が比較的まともだったのは、囃子を教えていた親父が厳しかったからなんだろう。そんな無頼どもが酔いしれての乱暴狼藉が祭りのたびに繰り返され、そのたびに町内の反発も高まる。

反発が年々拡大していたところに流血のあの喧嘩騒ぎがおこった。

 

通りかかった他所の町内の青年と些細な事から口論に成り、悪たれどもが梃子棒振りかざして殴りかかった。

 

「それをてっちゃんが止めようとして梃子棒がそれ、看板をたたき落とした。その看板で俺の額が割れたんだ。」

 

「血だらけで気丈に止めようとしているまあちゃんを見て、悪たれどもも戦意喪失しその場は治まったんだが、」

 

「今度は常日頃から無頼どもを快く思わない人たちが騒ぎ出した。

 

区長だった親父が懸命に説得して回ったが、もう治まらなかったんだ。

 

突きつけられたのが、無頼の追放と祭りの休止。断腸の思いでそれを飲んだ。実際は無頼追放で人手が足りなくなって、休止せざるを得なかったんだがな。これで途切れたら祭りは出来なくなる。親父はそう思っていたんだろう。」

 

たしかに5年間の休止は致命的で、無頼はもちろんまともな青年達もあらかた出て行ってしまった。

 

「腹立たしいのはお袋さんが亡くなっててっちゃんが出て行ったのを良い事に、悪たれどもはもめたのをてっちゃんの所為にしてたんだ。」

 

「俺も祭り衰退の元凶って事か。」

 

「違うさ。あれは巻き添えと誤解だったじゃないか。」

 

「そうは言っても、その誤解を解かないまま郷里を後にしたから、今の青年の足を引っ張っているには違いないな。」

 

「その後、親父は気を取り直して子供達に囃子を教え、浅間大社への宮参りだけから始めた。」

 

子供が囃子をやれば、親は山車に乗せてやりたいもの。子供なら酒飲んで暴れる事も無いから、反対する理由も無くなり、それでも機が熟するのにはあと5年かかった。

 

新生の青年団に新たな若い者が加わったけれど、つきまとうのは昔の悪たれどもの所行。

 

「再開した当初は、酒も飲めないまじめな青年長が寄付集めでさんざん嫌みを言われて、かなり落ち込んでいたよ。」

 

中身がまるっきり変わったと言っても、10年、20年前の悪行は容易には印象からぬぐい去れないって事のようで、囃子の子供が青年に育ちようやく何とか形が出来てきたところで、祭りに対する偏見もやっと解けたようだ。

 

「気になるのは、親父が死んでから悪たれの生き残りが最近出入りするようになって、言いたい放題で若い者をあおり立てている事だ。武勇伝ばかり吹き込むので、復興の苦労を知らぬ若者達は染まりかねないんだ。」

 

「けん坊はどうなんだ?」

 

「あいつにはよく言い聞かせてあるからだいじょうぶだが、年寄りと喧嘩するわけにも行かず閉口しているらしい。」

 

せっかくいい形になったのに無頼ごっこに憧れるようになったら、それじゃ逆戻りじゃ無いか。今の若いもんに祭りを重荷として残すわけには行かない。

 

「後始末をしなければならないな・・・。」

 

 

遠音 ー 祭りが終わる時 その3 月夜のにらみ合い

「あの、てっちゃんさんてなんて呼べばいいんですか?」

遠慮がちに香代が聞いた。

「そうだな。苗字で呼んでもこの辺では『佐野さん』は多すぎるから、てっちゃんでいいんじゃない。」

現に、店の向かいも隣も「佐野さん」だ。人口の1割が佐野姓だと言うから、人混みで「佐野さん」と呼んだらいっぺんに何人もが振り返る事だろう。

「それでいいよ。昔からそう呼ばれてるから。」

 

香代にとってのてっちゃんは実に興味深い存在だ。 てっちゃんが東京での暮らしを語ることはなかなか無いからあえて詮索はしないので、てっちゃんも隠すわけでは無いが話す機会が無い。謎めいたなかなか渋い爺さんが、ちょっと気になる様子だ。

 

マスターは思う。

てっちゃんが母親が亡くなった後東京に出て行ったきっかけは、祭りでのあの揉め事だったろう。 必死で止めようとしたけれど止められず、けが人が出てその後数年間祭りが休止されてしまった。

笛吹きとしてのデビュー目前での休止はつらい。おまけに唯一の肉親との死別が追い打ちをかけたのだろう。 笛の師匠だったマスターの父親がとても悔しがったのを憶えている。

 

でも帰ってきたきっかけは、たぶん還暦の同窓会だった。

幼なじみ3人が顔を合わせるのもあの七回忌での帰省以来だった。

「28年ぶりか?」

「そうだな。」

順調に子供が出来ればそろそろ孫がいてもおかしくない歳だが、とうとう子供は授からなかった。 先に結婚していた弟の次男をゆくゆくは養子に迎えることにして、小さな頃から家の行き来をさせている。 甥の祭り好きはどうやら祖父譲りらしい。

てっちゃんといえばあのまま独身を通している。

東京暮らしも郷里で暮らした25年を超えた。若い時の大工修行が思いのほか役に立ち、工務店で現場監督として社長からの信頼を勝ち取り、職人達からの人望も厚く下町の安アパートでの一人暮らしも、馴れれば捨てた物でも無い。

でも社長が亡くなり工務店も息子の代になると、職人に人望のあるてっちゃんは煙たがられるようになった。 小さな事務所を借りて職人のネットワークを活かし、工務店を始めたのが2年前。 遅れて合流した現場監督の後輩のおかげで多少の自由もきくようになり、還暦同窓会への誘いにも出席できた。

しかし最近飲み仲間が孤独死したのが、気ままなはずの一人暮らしに影を落としている。

「行きつけの飲み屋に無断欠勤したら覗いてもらうよう、合い鍵を渡してあるんだ。でも、お寺さんだけは事前に手配しておかなきゃならんかなって。」

 

それでお寺さんへの相談がてら、祭りに合わせての帰郷となった。

 

祭りの喧噪も囃子の音も消え、人が退き始めた境内を抜けると目抜き通りから駅前まで歩いてみた。

郷里を離れて35年。この間に法事で1-2回は訪れたが、その時は用件に追われ改めて町を眺めることもなかった。

昔暮らした頃の記憶とは町並みはすっかり変わってしまったが、看板の名を見れば昔からの店が変わらずに営業を続けているのがわかる。 昔何度も通った居酒屋に立ち寄り、茹で落花生をつまみに一杯引っかける。代替わりして当時初老だった親父さんの姿はなく、息子と思われるどこか面影が似ている店主が、小気味よく応対している。

ちょっとばかり良い気分で神田川沿いを浅間大社に戻ってきた。

 

神田橋にさしかかると、夜も更け人通りも絶えた大通りに不審な一団を見つけた。

袢纏を脱いだのは町名を隠すためか。おまけに梃子棒まで持参とはただ事ではない。 いきり立っている若者が梃子棒を放そうとしない。仲間がなだめようとしているようだが、頑として受け付けない。

これは殴り込みだ。

大事にならぬように、何とかしなけりゃならん。

 

一団はどうやら交番前を通るのを嫌っているようで、てんでに川上を指さしている。 てっちゃんは下駄を脱ぐと手に持ち、境内の露店の間を駆け抜け御手洗橋に先回りした。

境内に立ち並ぶ露店の間を下駄を手に駆け抜ける姿を見れば、誰しもただならぬ空気を感じる。

「いた!てっちゃんだ。」

その姿を追ったのは、幼なじみのまあちゃんとそのかみさんのなっちゃんの二人だった。

姿を追って御手洗橋に着くと、てっちゃんは足の砂をはらい下駄を履き息を整えていたが、不敵にニヤッと笑ったのをマスターは見逃さなかった。 そしててっちゃんは素知らぬ顔で橋の欄干にもたれ川を見ていると思ったら、しばらくしてなんだか危険な雰囲気を漂わせた一団がやって来た。

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思いのほか時間がかかったなと思いながらてっちゃんが声をかける。
「ちょっと待ちな!」

橋を渡ろうという一団の前に、立ちはだかった。
明らかな喧嘩支度は夜目にも判る。

 

「どうするんだろう。」

 

奈津子が心配そうに言った。

 

さっきの笑みは何か策でもあるのかと見たが、通せんぼしたのは良いが多勢に無勢だ。この年寄り一人で、かなうわけもない。

 

 「許可無く他区に立ち入る事はご遠慮願いたい。」

 

一同顔を見合わせた。当惑の色は隠せない。

 梃子棒を持った男が焦れてドンと橋を突いた。

 

 てっちゃんはぱっと飛び退くと下駄を脱ぎ、半身に構えて手に履いた。

 

「やる気かい?」

 

「無理だよ、お巡りさんを呼んでくる。」

 

という奈津子を止め、様子を伺うことにした。

 

梃子棒男を押しとどめ、年長と見える男が前に出る。

 心なし微笑んでいるようだ。

 

「どうぞ履き物をお履き下さい。」

 

そういうと目くばせをした。

ばかに時間がかかると思ったら、梃子棒男をなだめながらここまで来たためらしい。たしかに誰だって、梃子棒持っての殴り込みを黙って許すわけがない。

 

ゆっくりと履き物を履き直した。

 


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